なぜ診断士を受けようとしたのか?

自分は小さな会社に勤めているので、頼れるものは基本的に自分自身のみ。

そうしたときに何か国家資格でもあれば心強いなと思って、今後のキャリアパスの検討も含めていろいろと探していました。

そんなときに見つけた「中小企業診断士」の資格。今回、受験を決意した理由は以下の理由からです。

現在の調査コンサルティング業務に直接役立ちそうだから

自分は小さな会社で、ウェブサイトのユーザビリティ、UX(ユーザーエクスペリエンス)、マーケティング周りのコンサルティング業務に携わっています。

主にUIやデザインに関しての言及が多いのですが、調査結果から改善の方向性について突き詰めていくと、どうしてももっと上のレイヤーである「マーケティング戦略」や「事業戦略」の話にまで触れざるを得ません。

そうしたとき、経営や経済、会計について正しい体系的な知識があれば、きっとアドバイスの妥当性を高められるだろうと思いました。

また問題の根本を語るとき、それを一部バズワード化してきている「UX」という言葉ではなく、「経営」や「マーケティング」の言葉に置き換えることで、相手に受け入れてもらいやすくしたいとい狙いもありました。

国家資格の中で唯一「生産的」だと感じたから

ビジネス系の国家資格でポピュラーなものといえば、行政書士、税理士、社会保険労務士などがありますが、調べれば調べるほど、多くの資格は「手続き代理」的であり、それを独占業務として請け負うことで食っていくパターンがほとんどのように感じました。

もちろんそうした業務も世の中で非常に重要な役割を果たしていることは間違いありませんが、個人的には、こうした「手続き代理」的な仕事に面白みを感じません。またこうした仕事は、遅かれ早かれコンピュータに取って代わられてしまうのではと思っています。

そうした資格に対して、「中小企業診断士」だけは少し異色でした。それは、唯一「新しい価値を生み出す」ことができる生産的な面のある資格だと感じたからです。

資格取得者の多くはコンサルタントとして経営改善に携わっているようですが、中には自分で事業を起こすのに役立てている人もいて、使い方は自分次第。経営の知識を使って、ゼロから1を生み出す生産的な仕事もできそうです。

バラバラだった知識を体系化できそうだと感じたから

診断士試験は全部で7科目あります。自分が特に注目していたのが、経営理論やマーケティング、マクロ&ミクロ経済、会計の分野が含まれていることです。

これまでもビジネス書などを中心にこうした分野の本を読んできましたが、やはり場当たり的なインプットになってしまい、本当に使える知識となっている実感がありませんでした。

これは一度時間をかけて、体系化したものを学ぶ必要がある。そう感じているところでした。

これまでのキャリアと相性がよかったから

私は大学で、「経営システム工学科」という学部に所属していました。経営システム工学科の授業というのは、今思えば、まさしく中小企業診断士を作るためのカリキュラムだと言っても過言ではありません。正直、この学科の卒業生は、診断士の勉強を進める上である程度のアドバンテージを持っていると言えるでしょう。

研究分野 東京工業大学 経営工学専攻

その後新卒で入社したインクスという会社では、ものつくり現場である大小の工場に足を運んでいたおかげで、「運営管理」の中の生産管理分野に親しみを持つことができました。

また転職後のNHN Japanでは、ちょうどファンクション組織から事業部制組織へと移行するタイミングも経験し、「企業経営理論」の中の組織論分野を実感を持って学ぶことができました。

そういえばもう一つ、昔キャリアについて迷っていた時に、「弁理士」もいいなぁと思って、知財検定も取得したことがあったのですが、経営法務の科目でこれがそっくりそのまま役に立ってしまいました。

まさに「Connecting Dots」。

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