中小企業診断士2次試験おすすめ独学勉強法と教材

2014年、ストレート合格を目指して2月から勉強を始めた中小企業診断士試験。

見事1次試験を通過し、ここからは2次試験対策です。

…結論から言いますと、残念ながら2次試験は「不合格」でした!
(得点区分:BABC→総合B)

ただ特に事例Ⅰ〜Ⅲについては評価B以上が取れていますので、進めてきた学習の方向性は間違っていないはず。また事例Ⅳについても足りなかった部分が明確ですので、そのあたりを振り返って記しておきたいと思います。

勉強方法とメイン教材

通勤講座ロジックマップ

1次試験対策として導入した『通勤講座』ですが、2次試験教材として過去問5年分についての「ロジックマップ」という解法を使った解説が付属しています。

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どうしても1次試験とは違って定型的な形に落とし込みづらい試験ですから、これが有効かといえばそうでもないのかもしれません。

ただ手元に十分な教材が揃っていない時点では、与件からのピックアッププロセスまで書かれた解説がついた過去問としての利用価値はあったと思います。

また後述の『ふぞろい』との差も意外と見られたので、多面的な回答作りの参考にもなりました。

 

ふぞろいシリーズ

2次試験対策の定番である『ふぞろい』シリーズ。私は2013年試験の内容が収録されている「エピソード7」だけを1次試験前に購入し、そのあと3年分のまとめである「再現答案」「答案分析」をコンプリートしました。

この5冊で、直近7年分の回答を揃えたことになります。まとめ版の書籍は「再現答案」と「答案分析」の2系統がありますが、個人的には解説がしっかりしている「答案分析」だけの入手でよいと感じました。

ちなみにふぞろいシリーズは、どれも1次試験の結果が出たとたんにどの書店でも品薄になってしまいます。そのため、1次試験である程度合格レベルに達したと思ったら、7月中に買い揃えておくのがおすすめです。例え1次が不合格だったとしても、タイミングがよければ購入価格より高く売れるかもしれませんよ。

 

中村俊基さんのブログ

通勤講座で5年分、ふぞろいで7年分の演習を終えた後、さらに過去の問題を見ておきたいと思い、LECのサイトから問題と解答用紙をダウンロードして使っていました。

過去問ダウンロードサービス – 中小企業診断士 | 資格のことなら合格のLEC

ただ8年より前のものは解説がないため、誰かウェブ上で解答例を公開していないかな…と探していたところ、以下のブログを見つけました。

中小企業診断士 中村俊基 – Yahoo!ブログ
中小企業診断士2次過去問(まとめ) – あしのあしあと

このうち、特に前者の中村さんのブログがとても参考になりました。今は更新を止めてしまっているようですが、内容がとても充実しており、早くからこちらのブログを参考に勉強を進めることをおすすめします。

どの過去問に対しても、決して小手先の回答ではなく、作問者の意図を深く理解した上での一貫性のある解説が掲載されています。与件の中のちょっとした記述にも意図があり、それらが全て裏側で繋がり、最後にはブレのない解答としてまとめあげられてしまう様子は、見事としか言いようがありません。

それを考えると、中小企業診断士の2次試験というのは本当に丁寧で緻密に作られており、時間をかけて取り組むだけの価値のある非常にレベルの高いものだったんだなと実感します。

個人的には、このブログを活用しての演習は非常に楽しいものでした。自分が完璧だと思って作成した解答でも、そのはるか上の視点からの解説を読んで打ちのめされること多数…。こうした演習を繰り返せたことが、もしかしたら試験に合格する以上に自分のキャリアにおいてプラスになったのではと思うほど、です。

2次試験を通る実力がつくことをよく「開眼」と言いますが、私の場合は試験当日、事例Ⅰ〜Ⅲを解きながらこの中村さんの視点に達した、つまり開眼したのでは?という感覚を持ちました。もう少し早く中村さんのブログで演習を積めていたら、楽に対応できたのかもしれません。

 

補助教材

全般

全知識シリーズ

1次試験の総復習として購入しておきました。
ただ内容は最新版でも中古でもそれほど大きく変わらないので、実際は4年型落ち版を購入しました。

コンサルタントのフレームワーク

試験に直接役立つわけではないのですが、特に後半のコンサル事例解説の部分が面白かったです。勉強した成果が実際どう使われるのかイメージがつきやすく、モチベーションの維持に繋がります。

事例Ⅰ:経営・組織論

特になし

 

事例Ⅱ:マーケティング

スモールビジネス・マーケティング

事例Ⅱの出題者の一人と言われる岩崎先生の書籍です。中小企業の戦略としては欠かせないランチェスター戦略、ソーシャルネットワーク活用といった内容を説いていますが、今ではそれほど目新しいものではないように思います。

事例Ⅲ:運営管理

ザ・ゴール

TOC(制約理論)で有名な本書。正直、診断士の勉強を進める上で、これは諸刃の剣だと思います。というのも、今まで1次試験で学んできたことを「机上の空論」に追い込み、考え方を覆される可能性があるからです。それほどインパクトのある概念を学ぶことができます。

ただ私自身はこのTOCの概念は大好きで、実際の業務としてのコンサルティングには欠かせないと思っています。逆にこの概念を知らずにコンサルタントづらをしていると、赤っ恥をかくのは確実です。試験のためというよりは、将来のために診断士試験の限界を知っておくという意味で読んでおきたい一冊です。

事例Ⅳ:財務会計

集中特訓 財務・会計 計算問題集

本来は1次試験でさらっておけるとよいテキストです。内容はそれほど年によって変更はないので、型落ちでも問題ないと思います。

 

スケジュール

大日程の作成

1次試験との大きな違いは、「通勤時間を勉強に充てることができなくなった」ことです。通勤講座にも2次試験用の音声教材はついていますが、さすがに解説部分のみをそらで聞いても学習効果は期待できません。

これにより、実質的な2次試験対策の勉強時間が大幅に低下してしまったことは、敗因のひとつだったかもしれません。

平日通勤中 平日自宅 休日
8月後半 通勤講座1次リピート 過去問ロジック演習 副教材
9月前半 通勤講座1次リピート 過去問ロジック演習 副教材
9月後半 通勤講座1次リピート 過去問筆記演習 財務副教材
10月前半 通勤講座1次リピート 過去問リハーサル 財務副教材

ロジック演習期(8月後半-9月前半)

通勤講座とふぞろいを参考に、過去問7年分について、与件からの材料ピックアップと回答ロジックの組み立ての部分に集中して演習を行いました。

基本的に1日1事例、90分の勉強時間のうち、前半45分でロジックを組み立て、後半45分で解説を見ながら自分のロジック組み立てが正しくできていたかどうかを確認します。まだこの段階では具体的な筆記までは進めません。

また1次試験の知識を忘れないように、平日通勤時間には経営理論、財務会計、運営管理の1次用音声教材を聞き、土日にはTACの財務会計問題集を解くようにしていました。

筆記演習期(9月後半)

ロジック演習期でなんとなく解き方がわかってきたところで、次は具体的な筆記の演習を進めていきます。

回答用紙はLECのサイトからダウンロードして印刷。文字数の感覚をつかむため、初めの数年分は解答を見ながら「写経」をしました。その後慣れてきた段階で、以前作ったロジックの部分から制限文字数に合わせて時間内に文章をつむぐ練習を行いました。

直前対策期(10月前半)

通勤講座とふぞろいの7年分を消化しきってしまったため、それ以前の過去問2年分を模試に見立て、90分でロジックの組み立てから回答文章作成まで通して解く演習をしました。

ここでネットで解答例を探していたときに見つけたのが、先の中村さんのブログです。あまりに内容が濃かったので、すでに解き終えていた過去問7年分についても改めて見直してみると、通勤講座やふぞろいの解答が幼稚に見えるほど視点が異なるのがわかり、「もっと早くこのブログを見つけていればよかった」と後悔したのでした…。

 

結果は不合格。何を失敗したか?

残念ながら今回の結果は不合格。当日の結果で、唯一「C」評価だったのが事例Ⅳで、これは試験当日の出来からある程度予想がついていました。その敗因を分析してみたいと思います。

意思決定会計の演習不足

事例Ⅳで大きくミスをしたのが意思決定会計分野の出問です。ちょうど自分の知識が100%完璧ではない部分を突かれ、また演習不足なのを露呈してしまったように思います。

意思決定会計は頻出分野の一つですが、前述のTACの問題集だけでは十分な力がつくとは言えません。このため、ここ絞った補助教材を足す必要がありそうです。

意思決定会計講義ノート

この分野でよくおすすめされているのがこちら。実はこの本も1次試験合格発表後に用意しようと思ったのですが、人気で手に入らなかったため、そのまま放置してしまっていたのでした。もう少し早く情報を仕入れて準備しておけばよかったなと。

模試を1度も受けなかった

1日4科目を通して行うのは試験当日が初めてでしたが、これは自分が考えていた以上にハードなことでした。無意識ですが、最後の事例Ⅳでは集中力が相当落ちていたように思います。

今回は1次、2次ともに模試などを全く受けておらず、こうした集中力のペース配分ミスが敗因の一つとして考えられます。1回でも受けて感覚をつかんでおけば違ったかもしれません。

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